謹賀新年

昨日、一週間ぶりに東京に戻った。

 

新潟に帰省というと、たいていの人が "雪が大変でしょう" と気遣ってくれる。

でも、私の実家のある新潟市は、海を隔ててちょうど真向かいに大きな佐渡が島があり、北の大陸からの雪雲が島に遮られて分岐するらしく、県内の他の地域に比べて積雪量はかなり少ない。

雪がまったくない元旦というのもそれほど珍しくはない。

今年も、どんより曇った空に時々薄日が射して、思い出したように白いものがちらちら落ちてくる程度で、積雪のない穏やかなお正月だった。

 

それでも、新潟は雪国だってことを忘れてもらっちゃ困るとばかりに、本当にみんなが忘れちゃいそうな頃合いに、どかっと大雪が降る。

そんな年は、たった一晩で、庭の木も家々も道路も空き地も、すべてのものが見渡す限りただ白一色に変わる。

窓を開けて、朝日をうけてきらきら光る一面の雪景色のまぶしさに思わず声を上げて、冷たく水気を含んだ空気を深く吸い込むと、大げさではなく、何だか体と心が一瞬で新しくなったような気がするのだ。

この感覚は、その年に起きた家族の事件や自分の心境の思い出と一緒にいつでも心の奥にあって、東京で珍しく雪を見たり、帰省の際に車内から県境の豪雪を見たりすると、不意にこみ上げてきて何だか涙がでそうになる。

やっぱり私は新潟の女だ....(笑)。

 

新潟市内で、20年以上前から続いている "思いやりのひとかき運動" 。

各バス停、横断歩道などのたくさんの場所に青いスコップが置かれている。

背景に青空が見えるが、このすぐ後、あられが降ってきた !