10数年前、生まれて初めてJazzセッションに行って、『酒とバラの日々』を無我夢中でめちゃめちゃ弾きまくった。
だいたい、8バースもJazzスケールも知らなかったから、周りで何が起こっているのかまったく謎だったし、アドリブなんて好き勝手にやるもんだと思っていた。
その後、多摩地区の凄腕JazzMenたちと知り合って、遊びながらいろいろ勉強した。
都内のお店のセッションに行くなんてのは夢のまた夢で、『阿佐ヶ谷マンハッタン』の深夜セッションはプロのミュージシャンがたくさん遊びに来るんだって!と聞いて、"マンハッタン・プロジェクト"なんて、今思えばかなり不謹慎なネーミングの計画を仲間とたてて、都内セッションデビューを目標にゆるゆる練習していた。
そのうち、国分寺にもの凄くハイレベルなセッションをやっているお店があるというので、様子見がてら遊びに行ったらまったくもって想像以上で、仲間ともども見事撃沈・大破した。
『国分寺T's』、その時のホストがGt.の塩本彰さんだ。
一年くらい通ったけれど、いつも相手にしてもらえなかった。
マスターには「いい根性してるねぇ。」なんて言われて皮肉とも気付かず、「根性だけが取り柄です!」なんてきっぱり言っていたから、もう打たれ強いというかまわり読めてないというか....(笑)。
よそよそしかったT's常連プレーヤー達が、ある日突然、話しかけてきた。
何を話したか覚えていないけれど、びっくりしてただ嬉しかった。
今では、大事なJazzの先輩であり仲間だ。
「みっちゃん、あの頃、何か恐そうだったからさぁ....。」
緊張していっぱいいっぱいになっていて、顔が怖いことになっていたらしい(笑)。
Jazzを本気でやろう、と決めてからは、塩本さんの厳しいアドバイスや暖かい激励は練習の目標であり心の支えになった。
今はもう閉店してしまった老舗『赤いからす』のセッションホストをやる事になった時は、老舗店のホストなんて荷が重過ぎてアップアップしていた私を、演奏面でも精神的にも助けてくれた。
T'sの仲間と塩本さんは私の恩人だ。気持ちが負けそうになるといつも思い出す。
現在、関西在住の塩本さんとは年に一回くらいしか会えないけれど、今日、久しぶりにT'sセッションで聞いた塩本さんのギターは、相変わらずかっこよくてsharpで粋だった。
また頑張ろう!って思った。
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