少しでも具合が悪くなるとすぐに病院に行く人がいる。
私はその逆で、相当具合が悪くても病院にはなかなか行かない。風邪で高熱が出ても病院に行くという発想がおよそ無い。
おかげで、盲腸炎を我慢し過ぎて危うく死にかけた事がある。
手術してくれたお医者さんに「あんた、あと一時間遅かったら死んでたよ!この傷跡見る度に反省しなさいよ(笑)。」と叱られた。
3年くらい前、舗道を普通に歩いていて、何かにつまずいて顔から転んだ。
荷物をいっぱい持っていたわけでもなかったから、咄嗟に片手でもつけばよかったのに、瞬間、手を怪我してピアノが弾けなくなったら困るな....と思った。
見事に顔で着地したので、左顔面が舗道のコンクリートですれて、かなり広範囲に皮がむけた。
後で気が付いたら、Gパンの膝にも大きな穴があいていた。
私は歩く速度がけっこう速いので、勢いよく、もの凄く派手に転んだのだと思う。
だいたい、道で転んじゃった時は恥ずかしくて周りを気にするものだが、この時はあまりの衝撃で頭がぼっとしてそれどころじゃなかった。
何とか家にたどり着いて鏡を見たら、顔が擦り傷で半分まっ赤になっていた。
洗って消毒してまた鏡を見たら、情況の深刻さがようやく分かってきた。「こりゃ完全に跡が残るな....」、目の前がまっくらになる気がした。
「転んだ瞬間、手をかばって....」と言うと、「さすがピアニスト!」なんて言ってみんな感心してくれるが、こんなオオゴトになるとは思わなかったってだけで、鏡の前でめちゃめちゃ後悔した....。
ライブとレッスンの仕事以外は家の中で鬱々と引き込もり、誰とも会いたくなかったし話したくなかった。
病院に行くという選択肢は、毎度の事ながら全く無かった。過去から何も反省していない....(苦笑)。
10日後くらいだったか、先輩のピアニストから久しぶりに電話があって近況を聞かれたので、「実は...」と話すと「病院に行ったのか?」と聞かれ、「怖くて行けない」と言ったら「何やってるんだ!早く行け!」と有無を言わさぬ勢いで言われて、ようやく病院に行く決心をした。
悲壮感を全身漂わせて診察室に入ると、元気いっぱいの若い女医さんがほんの2分ほど診ただけで、「大丈夫ですよ~。3ヶ月間は日光にあまり当たらないようにね!シミになりますから。」そう言ってガード用の絆創膏みたいなのをくれた。
拍子抜けしたもののやっと生きた心地になって、それから3ヶ月間ドラキュラみたいな生活をした結果、傷は跡形も無く消えた。
すぐに病院に行っていたらあんな悲惨な数日間を過ごす事は無かった訳で、これですっかり反省して心を入れ換えた。
お医者さんにはすぐ診てもらおう!
ここ一週間ほど、左手が肩からしびれている。
セッションのベーシスト落合君が、「それ、やばいですよ。ひどくなると手が上がらなくなって、ピアノ、弾けなくなりますよ~。」
その言葉に震え上がって、明日にでもお医者さんに行こうと思っている。
不安な気持ちを抱える時間は少ないに越したことはない。
それにしても、お風呂に長くつかったり、ストレッチを入念にやったり、マッサージマシンを押し入れから引っ張り出したり、何とかお医者さんに行かなくてすむような努力をあれこれせっせとやっている自分に、我ながら笑った。
出来ることなら、お医者さんには本当は”絶対に!”行きたくない。
やっぱり何も反省してないってことだな.....。
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YOKO (火曜日, 16 10月 2012 16:22)
病院行って!!
あまり動かしたりするのがよくないときもあるから!!
私は逆ですぐ病院行っちゃいます!
私の場合は喉おかしくしたら大変だからですけど。。。
michiko (火曜日, 16 10月 2012 16:33)
yokoちゃん、ありがと!
うん、今回ばっかりは弾けなくなったら怖いので、ちゃんと整骨院に行きました。
1ヶ月通って、改善されない場合は病院で診てもらいなさいと言われたので、今せっせと通っています。
ボーカリストも喉、心配だよね。お互い、身体には気をつけなくちゃ!