日本の美味しいもの

ここ2年ほど毎月1~2回、新潟の実家に帰っている。

 

滞在初日にはいつも、父が近所のお寿司屋さんから奮発して生寿司をとってくれるのだが、( これがまたものすごく楽しみで.... )、値段を聞くと、寿司というのはなんと贅沢な食べ物だろうと思う。

そこらへんのステーキセットより、量はめちゃ少なく料金はめちゃ高いのだ。

でも、一口食べて、「あ~....。」と絶句するこの美味しさはいったい何だろう。

 

ネタの新鮮さは当然の事で、シャリのふくよかさと握り加減・酢味と甘みと塩加減と....、つまりご飯が言葉に出来ないほど絶妙で、ワサビが、工場で作った人工の辛みじゃない奥ゆかしくてまろやかで自然な....、つまり本物のワサビが優しく香り正しくツーンと鼻にきてネタとシャリの味に彩りを添え、更に特上の醤油がとどめを射して、どーだ~!みたいな、食べながら参りました....と言ってしまうみたいな、誇り高さと粋とがまさに混在するとかなんとか、、『美味しんぼ』の台詞みたいなコメントをぶつぶつと心の中で呟きながら、結局のところ、ほんと日本人に生まれて良かったぁ....としみじみ思うのだ。

 

しかも今日は、ソニド・セッション常連のN氏から頂いた最高級の日本酒がある!

高知の地酒「土佐鶴・大吟醸」。冷蔵庫に冷やしておいた。

 

華やかな香りと濃厚な味わいと、、これまたCMのキャッチコピーみたいなコメントをぶつぶつと心の中で呟きながら父と私が飲んでいる隣りで、お酒の飲めない母は、ネタをめくってワサビの量を加減しつつ、シャリにたっぷり醤油をつけて、残念な食べ方をしつつも満足げにもぐもぐ食べている。

「醤油はこうやってネタの方につけるんだよ。」父と私に毎回言われるので、最近はちょっと気を付けているみたいだ。

でも美味しさは人それぞれ。

粋だろうと無粋だろうと、楽しく自分流で食べるのが一番だよね。もうウルサイ事、言わないことにしようと思った。