新潟に越してきて一ヶ月が経った。
「もう落ち着いた?」と友人たちが聞くけれど、今回はただの引っ越しじゃなく父の入院と母の介護があり、毎日がかなりの心配とストレスを伴うドタバタの連続だ。一体いつ落ち着くのやら分からない。
とりあえず、「もう考える事多過ぎで大変~ ‼ 」と正直に叫んでいる。
何が大変といって、父は病院にいるから手厚い看護を受けているけれど、ずっと父がやってきた母の介護をこれからは私がやる事になる。
母は軽い認知症で、会話や普段の生活はあまり問題ないのだが料理などの家事全般はまったく無理だ。
生まれてからずっと、料理ってのは気が向いた時にやるもんだと思ってきたのに、朝昼晩三食、母の為に食事の仕度をしなきゃならなくなった。
酒のつまみを作るのとはわけが違うから、父の書きためたレシピと格闘しつつ、今のところ母からダメ出しは二回で済んでいる。
とりわけ手が掛かるのが毎朝食べるポテトサラダで、台所には父の書いた材料の分量表が貼ってある。
○食分、あるいは○日分、じゃがいも○g、キャベツ○g、きゅうり○g、、、数字が370とか120とか、割と細かく書き込まれている。
野菜をたくさん入れるのでそれぞれ下ごしらえをして、ドレッシングもマヨネーズの他にいろいろ混ぜる。
最初に作ってみた時は、”マヨネーズだけでいいよ~、野菜もこんなにいっぱい入れなくてもさ~....”、と思った。
でも食卓に並ぶや真っ先にポテトサラダに箸を付けて、「美味しい、美味しい。」と食べる母の姿を見て、やっぱちょっと手間でも頑張って作ろう!と思い直した。
父もきっと、この母の「美味しい、美味しい。」が嬉しかったに違いない。
父から引き継いで家の事をいろいろやってみると、母への父の思い遣りをひしひしと感じる。
元気な頃、父と毎日電話で話したのはほとんどが母の話題で、だいたいが文句や愚痴なのだがいつも最後に、「ほんとママはしょ~がないねぇ。」「本当になぁ。」と2人で笑い合うのが常だった。
母はなんとなく、"とてつもなく運の良い人"というイメージがずっとあって、それは父も認めていた。
でも、宝くじや株で大当たりしたとか、九死に一生を得たとかそんな話は一つもなく、只の雰囲気とか印象なのかなぁ、、と不思議な感じがしていた。
最近ひらめいたのだが、もしかして母の最大の幸運は父と結婚した事かもしれない。そして、父のDNAを強力に引き継いだ娘がいた事かもしれない(笑)。
今までさんざんわがまま三昧、親不孝してきて今更なのだが、父が大切に思ってきたものを今度は私が守る番になったのだと思う。
病院で父の寝顔を見ながら、感謝というよりは申し訳ないような、優しくて切ない気持ちになる。
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yuko (火曜日, 30 4月 2013 08:38)
毎日お疲れさまです。
お父様流ポテトサラダ、おいしそうですね。マヨネーズの他に何が入っているのですか?
michiko (火曜日, 30 4月 2013 21:51)
yukoさん、先日はありがとうございました!
サラダのドレッシングは、マヨネーズと酢とLG21(銘柄指定・ヨーグルト)とシュガーカット(母が糖尿病なんで...)です。父はじゃがいもを蒸し器で蒸してましたが、さすがに手間かかり過ぎです...。