毎朝、母と差し向かいで朝ごはんを食べる。
私の顔よりテレビが面白いらしく、朝のNHKニュースを見ながら「わっ、」だの「あっ、」だの「へ~、」だの反応に忙しい。結果、朝ごはんに一時間以上かかる。
母に薬を飲ませないといけないから私もその間付き合って、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』までしっかり見る(笑) 。
このドラマ、80’年代アイドルが昔の映像でバンバン出てくる。
オマケに、当時のトップアイドル・小泉今日子が主人公の母親役で出演していて、彼女の不敵な面構えを見ながら、やっぱさすがだな~、なんてちょっと懐かしい気持ちになる。
80年代後半から90年代というと、私はアイドルの全国ツアーでバックバンドの仕事をしていた。
移動の新幹線で、ミュージシャンたちがビールなんぞ飲んで良い気持ちになっている間も、彼女たちは翌日収録のTVやら雑誌やらの打ち合わせや台詞覚えでめちゃ忙しい。
私が思うに、アイドルってのは可愛いだけじゃない、体力・精神力・賢さ・器用さ・愛嬌、、それら全てがなくては仕事をこなせない。その上、勇敢じゃないと駄目だ。
ツアー中、親衛隊らしき集団がどの会場にもいて、しかも同じメンバーがずっといたりする。彼らの全開パワーはもの凄いエネルギーだ。空港や駅で、我を忘れて突進してくるファンも少なからずいる。
彼女たちを守るボディガードの役目も果たすスタッフたちに囲まれて、にこやかに手を振るなんてのは二十歳そこそこでなんと肝のすわった事か!
ツアーのリハーサル中、あるスタッフが冗談ぽく言った。
「なんかキョンキョンて、一人で普通に地下鉄とか乗っちゃうらしいですよ。」
「まっさか~!またまたぁ、、」
みんな笑って本気にしなかったけど、もし本当だったとしたら当時のキョンキョンの勇敢さは半端じゃない。
現在でも芸能界の第一線で仕事を続ける彼女たちを、"したたかな"なんて、ちょっぴり毒のある言い方をする向きもあるのだろうが、私は彼女たちの賢さと心の強さを尊敬する。
あの不敵な面構えはなんとも魅力的だと思う。
今年2月に東京から新潟に引っ越したのだが、引っ越しのサカイの若者が部屋の隅にあった大きなポスター入れの筒をみつけて、気のせいかもしれないけどニヤッとこちらを見た。昔、ツアー最終日に菊池桃子さんが、メンバーそれぞれに一言添えてくれたものだ。
サカイの若者には、年甲斐もない”桃ちゃん追っかけファン”と思わせておくことにした(笑)。
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