朝食のグレープフルーツの種から芽を出したグレ男くんと、夕食のアボカド・サラダから生まれたアボ子。
2013年1月、私の新潟の父が脳梗塞で倒れたと同時に、彼らも過酷な状況に陥った。
お正月で帰省していた私は急遽、東京に帰るのをやめ、新潟で父の病院と母の世話に追われる事になった。
真冬の東京のマンションのベランダに残された彼らは、強風と厳しい寒さにさらされ、その後の引っ越しでも諸事情で何日間も水遣りが出来ない状態が続き、新潟の家に他の荷物と一緒に届けられた時には見るも悲惨な姿で、「ああ、可哀相な事をした、、。」と、ほとんど諦めていた。
5月に入って、すっかり枯れたと思っていたグレ男くんの枝先に、緑の小さな若葉が芽吹いた。
すっかり変色してしまったアボ子の頭のてっぺんに、綺麗な色の葉っぱが花のように開いた。
病と闘っている父の姿とだぶって、思わず涙が出そうになった。
生命の強さを感じて勇気が湧いてくる気がした。
その父が逝った後、グレ男くんとアボ子は眩しい陽の光を浴びて元気に育っている。
ちょうど1年前、このブログに『グレ男とアボ子』の記事を書いた。めったに感想を言わない父が「面白かったよ。」とニコニコ笑った。
一目会わせたかったなぁ、、と思う。
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