「あたし、自転車乗れないんですよ(^^;; 」
こう言うと、たいていの人は「えぇ~?」と笑いをこらえて私を見る。
正確に言うと「乗れない」じゃなくて「乗らない」なんだけれど、「どうして?」って聞かれると説明が長くなるから相手にちょっと気を使う。
”超ダサい奴”と思われても別に良いのだ。
商店街で、人混みの狭い道を我が物顔で走り抜けていく自転車。
駐輪禁止の場所にぎっしり止まっている自転車。
横断歩道で、歩行者にぶつかりそうになりながら横切っていく自転車。
歩道を歩いていると、チリンチリンうるさく鳴らしながら背後から迫ってくる自転車。
自転車には何の罪もないけれど、「あんたには絶対乗ってやらない!」と心の中で呟く。積もり積もった不信感は殆ど拒否感に近い。
でも、「乗らない」理由はそれだけじゃない。
小学生の頃、父が古い自転車に綺麗な緑色のペンキを塗ってくれた。
嬉しくて、バスで20分くらいかかるおばあちゃん家まで一生懸命にペダルをこいだ。
大きなバス通りを風を切って走りながら、初めての興奮にわくわくドキドキした。
早い話、小さい頃は自転車が大好きだった。
しばらくして、友人がペダルに片足をかけ、スピードをつけながらひらりと座席に乗る姿を目撃して「わぁ!」と思った。
凄く練習したのかと聞くと、こんなのはすぐ普通に出来るんだよ、と言う。
自分でやってみたけど全然できなかった。
ん~、きっとこれは何かの才能なのだ、すぐ出来る子といくら練習しても出来ない子がいて私には自転車の才能が無いんだ、、子ども心にショックを受けた。
まぁ、当時から見切りはめちゃ早かったので(笑)、それ以上練習もせずに自転車への愛情が急激に冷めていった。
”ひらり乗り”が出来ないんだったらもういいや、、。
現在新潟に住んでいて、新潟の自転車マナーは東京に比べてかなり良いし、過酷な交通弱者の生活を鑑みれば(笑)、ガレージで埃をかぶっているおっきな自転車を引っ張り出すのはとっても良い考えだと思う。
しかし、これから”ひらり乗り”を練習するってのもけっこう勇気いるよなぁ....。だいたいどこで練習すればいいんだ....?
、、何故か笑っちゃうほど”ひらり乗り”にこだわっているのだ(笑)。
やっぱ自転車はね、、まぁ縁がなかったんだよね、あれほど好きだったのに、、なんて意味深な感想をぶつぶつ呟やいた。
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