5月18日

昨日、父と母の一周忌と納骨を終えた。

 

去年1月に父が自宅で倒れて約1年半、音楽以外の世事に絶望的に疎い私は、次から次へと押し寄せるいろいろな出来事に気持ちも頭もこんがらかって途方にくれた。

心配と不安で毎日押しつぶされそうだった。

ようやく一息つけるようになってふと思い返すと、心からの励ましや手助けの手を差し伸べてくれた方一人ひとりの顔が目に浮かんだ。

深い感謝とともに、父や母、そして私も、こんなにみんなに助けてもらってなんと幸せな事か....としみじみ思った。

 

この1年余りの時間は、何だか厚い雲の中にいるようだった。

前に進んでいるのか横に流されているのか、止まっているのか迷走しているのかまるで分からない、時々雲の裂け目から下界の風景が見えて、ああ、間違った方向には来てないんだな、と安心するみたいな感覚。

雲の中の時間は、今まで経験した事のない不思議な流れ方をした。

ぐるぐるしたりぽっかり穴があいたり、ごーっと激走したりゆるゆる間延びしたり、、。

とても1年半の間に起きた出来事とは思えないのは、全てがきちんと時系列に並ばずにふわふわプアプアと私の周りに漂っているから。どこか現実味を失って夢の中のように感じられるから。

 

でも、父と母のお骨が家を出る時、ふいに私は雲の中から外に出た。

急に泣きそうになってちょっとびっくりした。

 

一周忌と納骨が終わって、今、久しぶりにちゃんと方向感覚を持って前を見ている。

”どこ”に住むかとか、”誰”がそばにいるとか、”何”が欲しいとか、そういう事は殆どどうでもよくて、ただ前に進みたいと思っている。

”どうやって”、というのは今イチはっきり分からないが、歩き出せばきっと何とかなる!(笑)なんて思っている。

 

父と母がにこにこしながら、『大丈夫。』って言ってくれてるような気がした。