オリジナル新曲の『Dear P.M.』
先月4日、東中野セロニアスで初演して、落合くんのアルコのベースがあまりに美しくてウルウルした...。
ツッチーのギターも自然な感じで、まるで室内楽のような趣きになった。
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音楽でも絵でも、美しさのずっと深い奥に攻撃的な顔がちょっと透けて見えるものが好きだ。
それは原始的な野蛮さだったり危うい狂気だったり、壊れかけの不調和だったりする。
美しいだけのものを作るのは、きっとそれほど大変な事じゃない。技術や計算や経験と努力で誰でも可能かもしれない。
実際、現代ではコンピューターの中で様々な美しいものが生まれている。
でも、そういうものに惹き付けられる人は数少ないんじゃないかと思う。
世界中の人たちがゴッホやエバンスを熱愛するのはたぶん、彼らの絵や演奏の美しさの向こうにある”何か”を感じ取るから。その”何か”の攻撃的な迫力に無意識のうちに襲われるのだ。
それはその人そのもの、その人の心そのものが表現された結果だから、誰も真似しようとして真似できるものではない。
そして私たち一般人でも、色彩や音の奥深くにあるその”何か”をちゃんと感知できる。それほど強い力に圧倒され、感動するのだ。
美しい曲が作れそうな時、こんな風な事をあれこれ考える。
まぁ考えてもしょうがないんだけどね....。
自分の中に生まれる音と、鍵盤や譜面・鉛筆・消しゴムと格闘しながら、『あたしって良いヤツなんだけど陰影っていうかさぁ、、単純でしょ、あたし....もっと複雑な葛藤とか軋みとかさぁ、、』てな事を頭の片隅でぶつぶつ呟く。
結局、格闘の末にいつも途中で投げ出してしまう。自分に対して軽く幻滅しながら。
『Dear P.M.』は、作ってみたら美しい曲になった。するすると自然に出来てしまった。
今までに無い不思議な経験だったから、きっとPapaとMamaの魂が側にいてくれたのだと思った。
母を亡くしたばかりでいつも父と母の事を考えていて、他の余計な事を考えなかったせいかもしれない。
一人で弾きながら、ちょっと泣いてしまった(苦笑)。
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ツッチー:「ねぇねぇ、Dear P.M.って誰? 苗字がMでしょ、名前がPってさ~、パ、パ、パミ夫? パパイア・マンゴー.....ん?」。
相変わらずツッチーは最高で(笑)、そして、”変に感傷的な曲”にならなくて良かったって思った。
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yuko (金曜日, 18 7月 2014 09:53)
聴いてみたいです。
michiko (金曜日, 18 7月 2014 11:33)
yukoさん、ご無沙汰しています。
東京に引っ越してちょっと落ち着いています。今までの疲れが出て来たかも、、。しばらくゆっくりしたいなぁ、なんて思っています。
あれからオリジナルも増えました。
東小金井からはちょっと遠くなってしまいましたが、もし機会があれば、ライブで聞いてくださいね!