音楽と仕事

職業について言えば、学生時代のアルバイトを除いて人生一度も音楽以外の仕事をした事がない。

言い換えれば、音楽以外にできることが無い。

大学生の時にアルバイトに行った会社で、課長さんに「お客さんにお茶お出しして。」と言われ、高級煎茶のお茶っ葉と急須を前に途方にくれた。

どうすんだ...これ....。

 

大学を卒業し音楽の仕事に就いてからは、一般常識・家事全般・女子力アップとは全く無関係で、ほとんど音楽の事だけ考えて仕事をしてきた。

お蔭で、デートの約束をすっかり忘れて振られそうになったり、あまりに彼氏の為に何もしてあげないので( 料理とか洗濯とか掃除とか.....)、ほんとに振られた....o_o

バブル期という事もあってこんな私でも死ぬほど忙しく、しかも周囲には恐ろしく有能な音楽業界人が恐ろしいスピードで仕事をしていた。

体力と根性だけは自信があったし、いろいろな体験や素晴らしい人達と出逢えたことは本当に幸運だった。

でも、私自身は音楽する事を楽しんでいたんだろうか?

いつも余裕がない状態だったのは、今考えれば、いつも自分の能力以上の仕事をやろうとしていたという事だ。

世の中がデジタル化され、音楽の環境も激変し、『これ、弾けます。』『譜面、作れます!』だったのが『この機材持ってないの?』『これオペレートできる?』『これもあれも、それも出来ないとねぇ。』になった。

現代の企業で働く人たちはもっと大変なのかもしれないが、音楽脳な私にはどんどんハードルが高くなっていくように思えた。

ずっと、頑張ればこれも出来る、あれも出来る!と思ってきたけれど、ある時、購入を勧められた高額なアレンジャー向け機材のパンフレットを見てふと思った。

私、何を頑張ってるのかなぁ?

どうすんだ...これ....。

 

いろいろな人に、よく思い切ってJazzに転向したねぇ、と言われる。

その都度いろいろな理由をもにゃもにゃ答えながら、自分でも熟慮の末という訳でもなかった事にちょっと驚く。

昔から私の進行方向は、『直角90度に曲がってまたいきなり90度に曲がって....』だったから何も特別な事ではないのだが、今まで一度も後悔らしい気持ちになった事がないのは幸せというか懲りてないというか、、(笑)。だいたいが直感で、ピン!ときたらダッシュ!だ。

ほとんど迷わずJazzをやろうと思ったのが我ながら凄い。Jazzの仕事が本当に出来るのかも分からないのに、、。

 

ただ一つ確実に言える事は、今、”音楽する事”が楽しくてしようがない。

ピアノに向かいながら、一人幸せを噛みしめてしまう。またまた、『常識ある家庭的でお洒落な女性』の理想から遠くワープしそうである(笑)。

ただ、もうそんな事が許される年でもないので、一般常識だけは少しずつでも勉強しようと思う。( いささか遅かったような....。)

まぁ年頭に当たり、これからの目標ってことで、ほんと頑張ろうと思う。もちろんJazzはそれよりもっと頑張ろうと思うが....。

 

今年の目標は『一般常識とオリジナル』です!

、、ん? なんか変だな....?