猛暑の夏がようやく終わって、一息ついていたら急に朝晩ひんやりと感じるようになり、いきなり寒くなったなぁと思いながら郵便局に行ったら年賀状印刷の予約広告が貼ってあって、なんだかあたふた焦って気分は一気に年末になってしまった。
その前に秋だろっと自分でつっこんでみたが、どうも最近、月日の流れが異常に速い。
”さぁ、これから食欲の秋!”なんてわくわく意気込んでいて、気が付いたらもう外で雪が降っていたとか、実際おきそうな勢いだ。
先日、ライブのリハ中にメンバーと話していて、
「なんかさぁ、もうあっと言う間に一年終わっちゃいそうだよねぇ...。」
「ほんとほんと。やたら最近速いよ。前からこうだっけか?」
実はこういう会話、他の人たちとも頻繁に交わされていて、例えば他のミュージシャンたちやピアノの生徒さん、ライブハウスのママさんとか、みんな一様にとても実感を込めて言うのだ。
社交辞令の挨拶ではなく、心底驚いて「あれ、なんで?」というニュアンスがある。
昔、父が「40を過ぎると早いぞ〜。50を過ぎるとまっさかさまだ!」なんて笑いながら私を脅かしていたが、たいがい年を取るにつれ時間の流れは速く感じるものだ。
へんな言い方だが、”時間の相対的老化”のような感覚は年齢とともにどんどん加速していく。
これは一般的な現象でなんの不思議もないのだが、近頃奇妙に感じる事がある。
私から見ると随分若い人たちがまったく同じ事を言うのだ。
こちらに気を遣って(笑)、という風でもない。
同じ年代同志なら相身互いで笑ってお終いだが、若者たちが相手だと”時間の相対的老化”ではなく、”絶対的自然現象”ー例えば天気について話をしているような錯覚に陥る。
「今年の夏はめちゃ暑かった。」=「一年がめちゃ速いんだけど?」こんな感じかな...。
この件について、独断と偏見で2つ仮説を立ててみた。
『創元SF文庫』卒業生としてはもう少し奇抜なアイディアを出したいところだが、凡人にはこれが精一杯で残念だ...。
1.若者たちの時間感覚に変異が起きている。
時代の変化のスピードが速過ぎると、柔軟な若者の感性に少なからぬ影響を及ぼす。
特に、Jazzなどの伝統文化=古き良き時代に発祥した文化を好む幾つかのグループは、インターネット上で過去の映像・音源( YouTube等 )に頻繁に接する事によって、現実のスピード感と体内感覚との間にずれが生じやすい。
2 .地球の時間軸に歪みが発生中。
アインシュタインの相対性理論で、空間の歪みとか何とかいうのがある。
全く理解不能だが、空間が歪むなら時間も歪むんじゃないだろうか(o_o)と考えてみた。
宇宙のどこかの巨大ブラックホールがどうかこうかしたせいで、地球上すべての時間の流れが微妙に速くなった。
下手をすると太陽系全体に及ぶ現象なので、我々の科学レベルでは測定不能かもしれない。
太古の昔からの時間軸で生きている生物たちは、その微妙な変化を何となく感じて「あれ〜?」となるわけだ。この場合、老いも若きも同様に感じる。
ふむふむ、秋の夜長にSFにどっぷり浸るのも悪くない。ワームホールとか平行宇宙とか異次元とか意識世界とか、、。
さて時間の流れに話を戻すと( おバカな仮説は置いといて....笑)、例えば外出の準備でバタバタする時、仕事の締め切りでジタバタする時、一年のイベントがあとクリスマスぐらいしかないなぁと気付く時、ほとんど全ての人がいつもより時間が速いと感じる。
やる事が多過ぎて慌てるとか楽しい事が残り少なくなって寂しいとか、きっと原因はまるでSF的ではない。
そしてたぶん人生を終える頃には、数十年あっと言う間だったなぁなんてしみじみ思うのだ。
歳月の真の経過速度を、人生最後に身を以て知るという事か、、。
まだまだ先の話だと思っていると、いきなり「あれ、なんで?」になりかねないなぁ-_-;;
まぁ、心配してどうなるものでもないか...(笑)。
『明日も元気、時間を無駄にせず』詰まるところ、これでだいたい大丈夫な気がした。
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