12月に入ってすぐ、いつも行く商店街の小さなパン屋さんに食パンとイチジク入りカンパーニュを買いに行ったら、見慣れない綺麗なお菓子のパッケージがたくさん置いてあった。
何かな?と思ってお店の奥さんに聞いたら、
「クリスマスシュトーレンです。ドイツでは、クリスマスまでに少しずつスライスして毎日食べるんですよ。」
ドライフルーツやナッツをたっぷり練り込んだ生地で、表面にはバターを塗って砂糖をまぶしてあるのだそうだ。
う〜、甘い物好きとしては話を聞いてるだけでたまらない....。
早速、小さなサイズを一つ買った。
奥さんが「少しずつ」と言ったけれど、あんまり美味しくて「少しずつ」は無理だった o_o;;。
今日、もう一つ買いにお店に行った。
それからお肉屋さんに行って、クリスマスのお店特製ローストチキン(1羽分)を予約した。1羽は一人暮らしではさすがに食べ切れないのだけれど、台所で包丁片手に格闘解体・冷凍保存まですれば、最後は鶏ガラのスープまで一ヶ月以上堪能できる。
めちゃリーズナブルでめちゃ美味しい。
西欧文化ではクリスマスがクライマックス、日本の文化では桜かお正月だが、子供たちが心待ちするのはやはりお正月の方だと思う。
「♪もうい〜くつ寝ると〜お正月〜」....でも凧揚げ羽根つき・ゲームより楽しいのは、きっと家族みんなでご馳走を食べることだ。
うちの実家も、お寿司やすき焼き・料亭のおせちで連日ご馳走だった。
新潟の郷土料理である”こうと汁”を作るのは私の担当で、大根、人参、牛蒡とこんにゃく、かまぼこ、油揚げに焼き豆腐、鮭、豚肉、ねぎと銀杏、とと豆....10種類以上の具を入れる。味付けは醤油と砂糖がちょっと。
味見は、居間でくつろぐ母のところまで汁を入れた小皿を運んでお伺いをたてる。
「テンハオ、テンハオ!」と言ってくれるまで何回も往復する。(『テンハオ』は中国語で最高という意味らしい。母は中国人じゃないけれど、何故かこの『テンハオ』はお気に入りフレーズだった。)
この”こうと汁”のお椀にお餅を入れて食べるのが新潟のお雑煮だ。
来年は、父と母が相次いで亡くなって2回目のお正月。
毎年、年末は何があっても必ず新潟に帰って、家族三人で大晦日の夜を過ごした。帰って来いと言われるのではなく、私がどうしてもそうしたかった。
去年は一人きりの実家で、黙々と大掃除をして元旦を迎えた。
我ながら不思議なのだが、東京にいても新潟にいてもまったく一人という感じがしない。
いつも父と母がどこかにいる、話しかければいつも”なんだなんだ?”とこちらを見てくれる、、そんな暖かな空気をなんとなく感じる。
だからいっそ今年は、お正月を東京で過ごそうかと思っている。
父と母に、東京のお正月を見せてあげるのも悪くないな、と思う。
青空が広がるカラッとした関東のお正月は、新潟人にとってはなかなか衝撃的だ。
特に母は、一度だけ一緒に行った原宿竹下通りが大好きだったなぁ、なんて思い出した....。
何十年ぶりに明治神宮ってのも良いかもしれない、三が日の初詣はちょっと無理だろうけれど(笑)。
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