モロッコいんげん

駅前商店街の八百屋さんで買い物をしていて、トマトの隣に長さ20センチ以上もある巨大なさやいんげんを見つけた。

”わ、なんじゃこれは、、。”と思って、お店の若者に聞いたら「あ、それ、モロッコいんげんです^ ^」と教えてくれた。

「へぇ、モロッコから来たんだ....。」と感心したら、お店の人たちにめちゃめちゃウケた。

「いえいえ、長野でふつ〜に育ったやつです。」さっきの若者が笑いながら言う。

ふぅ〜ん、そうなんだ。私が知らなかっただけでかなりポピュラーな野菜らしい。

 

帰り道、一つ利口になったなぁ....、なんてふんふん得々と歩きながら、突然はたと思った。

じゃあ、なんで”モロッコいんげん”なんだ?

カリフォルニアオレンジはカリフォルニア、フィリピンバナナはフィリピン、台湾バナナは台湾、なのにモロッコいんげんは長野....。~_~?

 

早速、インターネットで調べてみた。

・モロッコいんげんの原産地は地中海沿岸。モロッコではない。

・昭和51年から日本で販売された。

・当時、モロッコを舞台とした映画「モロッコ」や「カサブランカ」などがヒットしていて、それにあやかり命名された。

 

つまり、”モロッコ”が当時たまたま巷で流行っていて、それにあやかって付けられた名前であり、この野菜の出自にも外見にも性質にも全く関係が無いのだ。

そう分かってみると、目の前の大きな”モロッコいんげん君”が、何とも哀れで頼りなげに見えた。

 

日本に来て既に40年、もうそろそろ本人的に納得できるネーミングを考えてあげてもよさそうなものだ。

最近、スーパーの野菜売り場で、新顔野菜( ロマネスコとかグラパラリーフとか )が高級そうな名前で幅を利かせている事だしね、、。