誕生日に気付いた事。

実を言うと、今日は誕生日。

全くめでたくないなぁと思いながら、というか、ほとんど思い出しもせず、いつも通り一人晩酌をやっていた。

 

うちの家族は、母も父もあまり記念日というものに頓着がなく、小さい頃から、家族の誕生日は天下泰平・日々息災の日だった。(つまり、普通に1日が終わった....笑)

 


そんな訳で、誕生日がお祝いすべき日であるというのが、私にはずっとピンと来なかったし、誕生日は親に感謝をする為の日だ!なんて理屈をこねていた。

 

私が20代の頃だったか、近所に美味しいステーキ屋さんができた。

たまに家族で行っていたのだが、そのうち、家族の誕生日が近くなると、お店からセットメニュー割引と記念撮影サービスのお知らせのハガキが来るようになった。

それからは毎年、父と母と私、三人の誕生日になるとそのお店に行って、ステーキを食べ記念写真を撮った。

誕生日を祝うというより、東京で仕事を始めていた私が新潟で家族と過ごす大切な時間だったし、三人で並んで写真を撮ってもらうのが何より嬉しかった。

 

ステーキ屋さんは、それから数年後、残念ながらなくなってしまった。

家族のイベントが行われなくなると、記念日はまた消滅してしまった。

恐ろしい事に、私は恋人ができても彼の誕生日をうっかり忘れそうだった。

それでも若い頃は頑張っていた、それなりに....(笑)。 

(友人たちの誕生日をたくさん覚えている人がたまにいるけれど、私にはもの凄い驚異だ!)

 

感謝するべき両親もこの世にいない今、私にとって誕生日というのは、ただ一つ年を重ねるという事実しか感じなくなっているのだが、先ほど、友人からおめでとうメールが届いた。

ありがとう^ ^とは言いながら、本当はあんまりめでたくない、、なんて可愛げのない返信をしたら、彼女からすぐに一言、届いた。

 

『元気に生きているってことはじゅうぶん幸せなことよ。』

 

そっかぁ、、と思った。

みんながお祝いをするのは、そういう意味だったんだと今更ながら気付いた。(本当に今更....。)

こうして元気でいる事を喜ぶ日が誕生日なんだ、そう思ったら、自分の幸せをじわじわと感じた。

思うとおりに人生を送れているのは、元気だからなんだ!

 

ケーキ買ってくればよかったなぁ。

明日もう一回、誕生日やるか、、美味しいもの作って、、。