新潟にはほとんど毎月帰っていて、両親が残した様々なものを、昔を思い出して懐かしんだり、あまりの大量さを呪ったりしながら、一つ一つゆっくり整理している。
先月、近所の方から、うちの空いているガレージを貸してくれないかというお話があった。
父はたしか、70代後半で車の運転はやめていて、以来、ガレージは物置きのようになっている。
重いシャッターをガラガラと上げると、カビと埃の臭いがモワッと襲ってきた。
父が買い物に行く時に乗っていた電動のシルバーカーや錆びた自転車、いらなくなった家具や健康器具、茣蓙や絨毯、庭道具、その他いろいろな小物類が、ぐしゃっといっしょくたに、足の踏み場もないほどに置かれている。
これを片付けるとなると、えらいことだ、、。
高校時代に使っていた、髪のカール用のホットカーラー・セットが隅の方から出てきた。
毎朝、せっせとカーラーを巻きつけておしゃれをしていた高校生の私を思って、カビと埃まみれのガレージの中で、ふと遠い目になる私であった(笑)。
ガレージのすぐ傍が玄関に上がる数段の階段になっていて、玄関の周りには狭い前庭がある。
松や椿や梅の木が植わっているが、父は、肥料はあげるが剪定などはしない人で、庭木はそれぞれ自由奔放・勝手気儘に育っている。
まぁ、父は私にもそうであった(笑)。
ガレージと玄関を、処分する物を抱えて何回も行き来しつつ庭の方を見ると、2本の梅の木が競うように満開に咲いていた。
大きく横に伸びた枝々に、たくさんの淡い白色の小さな花と、その奥に濃い紅色の蕾がちらほら見える。
今年は、梅の見頃の時期にちょうど当たったんだなぁ、、。
主人がいなくなった家の庭で、手入れもされず、でも毎年春になるとこの梅たちは、こんなに綺麗な花を咲かせていたんだ....。
梅の香りが大好きな近所の友人が、数日前にくれた、「みっちゃんのおうちの梅が帰りを待つようにきれいに咲いています。…」というメールを思い出して、胸の奥がキュンとした。
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