ノーベル文学賞

8月30日、英国のメイ首相が日本を初来日したのを機に、しばしイギリスについて考えてみようってことで、シャーロック・ホームズについての記事をPart1、2と書いてきた。

Part3をアップしようかなと思っていた矢先、嬉しいニュースが飛び込んできた。

 

『ノーベル文学賞、日系英国人作家カズオ・イシグロ氏が受賞』

イシグロ氏は、長崎市で生まれ、5歳で英国に移住。1982年に英国に帰化したのだそうだ。

 

ずっと以前に、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン主演の『日の名残り』(1993年・米)という映画を見た。

1930年代、英国名門家の執事と女中頭の淡い恋が、戦前のナチス・ドイツとイギリスの外交を背景に描かれる。

 

主人公である侯爵家の執事がとても英国的であるのに( バトラーという英国独特の職業と、彼が持つ階級意識のせいか....)、彼の心の動きがあまりに日本人的なことにちょっとショックを受けた。

エンドロールで原作者の名前を注意して見たら”カズオ・イシグロ”とあって、ひどく納得したのを覚えている。

ああ、やっぱり日本人だ、、。

その時初めて、イシグロ氏を知ったのだが、凄い作家だなぁと思った。

原作を読んでみようと、図書館まで行ったところまでは覚えているのだが、きっと何かつまらない理由でそのままになってしまった。

 


改めて、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロ氏の作品をしっかり読んでみようと思う。

氏の直近の作品『忘れられた巨人』も、興味深いテーマだ。

 

「社会や国家はどんなことを忘れ、どんなことは覚えているのか」

 

今の日本--歴史問題に否応なしに直面している日本にとって、一度しっかり考えておくべき問題じゃないだろうか。