潔癖性

洗濯物をたたみながら、タオルからほつれ出た細い糸を一本一本、ハサミでチョキチョキ切る。使い古したバスタオルなんかだともう半端じゃないくらいほつれまくってるから、自分でも呆れるくらい一心不乱に糸くずと格闘する。

やっぱ潔癖性かな、、。

女友だち何人かに言われた言葉が頭をよぎる。

 

仕事の締め切りに間に合わなくて数日お風呂に入れなくても全く平気だし、歯磨きセットを常時持ち歩くなんて事もしない。少々部屋が埃っぽくてもあまり気にならない。

どこが潔癖性なんだ? と不思議だったが、思い当たると言えば、物事が秩序正しく収まっているのが好きだ。かなりのエネルギーを費やしてその状態にする。

物があるべき場所にあると必要な時にすぐ取り出せるし便利だ。そして美しい。

 

母の小物入れの引き出しなんかを開けると、石鹸と扇子、櫛と割り箸、口紅とけん玉、香水と湯飲み茶碗、、、あり得ない組み合わせで雑多な物が詰め込まれている。気が狂いそうになる()

系統だって整理していくと、スッキリ綺麗になるし余分なスペースもできる。

 

東京で一人暮らしをしていた頃、終電を逃した友人がうちに泊まる事になった。

部屋の中をざっと見渡した彼女が、まじっと私の顔を見ながら言った。「みっちゃん、ほんとは彼氏いるんでしょ?」

え、えぇっ?!なんでそうなるの?!

めちゃめちゃ焦ったけどとりあえず女の見栄で、「またぁ、◯◯ちゃんてば~....。」なんて含みを持たせておいた()

一人暮らしの女の部屋が不意の来客に慌てない程度に片付いていると、『彼氏がいる』という事になるらしい。

勉強になるなぁ、、て言うか、部屋が片付いているのは物があるべき所にあるからだけで、第三者は関係ない。私の性分の問題だ。

 

タオルのほつれ糸をチョキチョキ切りながらタオルの本来あるべき姿とは、、なんて考えている訳ではないが、ヨレヨレのタオルがシャッキリするのは何だか嬉しい。

やっぱり、はたから見たら潔癖性以外何ものでもないか、と思う()