東京の自宅にはテレビがない。
あまり不便に感じないが、一つ二つ見たいテレビ番組もある。(『相棒』シリーズとか ^ ^ )
そういう時は新潟の実家でDVD録画しておいて、月一回帰った時にまとめて見る。
最近、興味があるのが『世界のドキュメンタリー・危険な時代に生きる(米)』だ。
昨年アメリカでエミー賞をとった番組で、9回シリーズで地球温暖化について警鐘を鳴らしている。
アメリカは、世界一の先進国でありながらずっとこの問題に消極的だった。
温暖化に対処する事について懐疑的な世論が根強いからだ。
そのアメリカで今、これほどまでに深く掘り下げたドキュメンタリー番組が制作されたという事は、二酸化炭素による地球温暖化はきっともう待ったなしの状況まで来ているのだ。
ハリソン・フォードやマット・デイモン、アーノルド・シュワルツェネッガーなどのハリウッドスターやジェームズ・キャメロンなどの映画監督、著名な報道関係者たちが集まってこのシリーズを製作している。
9作一つ一つのテーマが重過ぎてまだ全部を見れていないのだが、大企業の利益重視や政治家の不見識、発展途上国政府の汚職や資源の獲得競争といった分かりやすい問題点とは別に、意外な温暖化説・否定派の存在を知ってびっくりした。
アメリカのキリスト教保守勢力である福音派は、地球温暖化を人為的なものと認めていない。
全てがこの地を創られた神の御心で、自然のサイクルであるというのだ。
宇宙開発の最先端・NASAがある国で、こんなにも大勢の普通のアメリカ人たちが科学と信仰の矛盾に目を瞑ろうとしている。
環境問題を研究する科学者までが、自己の信仰と懸命に折り合いをつけようとする姿を見て、『二酸化炭素』と同じくらい問題なのは『宗教』なんじゃないか、と思った。
日本では一般に『宗教』については寛大で、無宗教じゃないんだけれど神さまとはどこか”なぁなぁの関係”(笑)なので、こうした信仰上の葛藤はどうもピンとこない。
でも、世界の大多数の人たちにとって宗教は絶対である。命を懸けるほどに、、。
今現在、世界中で起きている国際紛争。
アジア地域では領土問題が大変な事になっているが、それよりもここ十数年、世界各地で起きた宗教に関係する様々な衝突は、私たち日本人がほとんど想像できないくらい悲惨なものだ。
宗派の対立で戦争が起き、たくさんの罪の無い人たちが命を奪われている。
大気の中の『二酸化炭素』と人の心の中の『宗教』。
植物が光合成を行うのになくてはならない『二酸化炭素』と、私たちが生活するのに心の拠り所となる『宗教』。
どちらも大切なものなのに、過度に比重が大きくなると全てを破壊するくらいに危険なのだ。
”危険な時代”…人類は、自ら創り出した物のせいで無残に押し潰されようとしているように思えてならない。
何をどうしたらいいのかは全く分からないけれど、少なくとも、”世界で何が・どこで・どう動いているのか”を知っておかなくてはいけないと思った。
それも、”正しく知る事”だ。
でもあまりに複雑で難解な情報がたくさんあって、いったいその中の何が、どれくらい正しいのかよく分からない....。
私はこんな大変な時代に生きていて、しかもその事についてあまりに知らないのだなぁ、、。
今更ながら自分の生かじりさ加減にがっくりきた (-_-)。
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