父の料理 -Part4-

父が元気だった頃、お盆やお正月で帰省すると、よく一緒に料理をした。

母は、”私・食べる人”を決め込んで、居間でTVを見ている。

 

父の手書きレシピをテーブルに置いて、計量スプーンとスケールで分量を正確に計り、加熱時間をタイマーにセットする。

時々、分量などが書き直されているのは、母から「甘い、しょっぱい」と文句がでたのかなぁと邪推したりするが、きっと父なりの試行錯誤の結果だと思う。

 

ポテトサラダはジャガイモを皮ごと蒸し器で蒸す、冷やし中華のタレは軽く煎ったゴマをすり鉢で摺る、夏はナス、冬は白菜を木の樽で漬ける、、。

料理というのは作る人の人柄が表れると言うが、父は几帳面で、いい加減な事は絶対にしない人だった。

でも、大雑把なところもあって、娘が偉そうに言うのもなんだが、なかなかバランスが良い人だったんではないかと思う。

今回のコロナ自粛で、父のレシピを引っ張り出していろいろ作ってみたが、改めて父のことを想う良い機会になった。

 

父のチャーハンはなかなか絶品だった。

『ためしてガッテン』(NHK)で最高のチャーハンの作り方をやった時のレシピらしく、秒単位で書かれているので少し驚く。   

二人で最初に作った時のことを覚えている。

中華鍋を火にかけた横で父がストップウォッチ片手に立ち、「よし、油だ。」「卵」「ご飯!」と次々指令を飛ばすので、こちらはあたふた大慌てで、何やら分からないうちにぱっぱと完成してしまった。

 

たまに、レシピに無いお洒落な一品を作る時があった。

「これ、どうしたの?」

「だてに接待はやってないのだ。」父はちょっと威張って言う。

「お店の人に教えてもらったの?」

「ちょっと聞いて、あとは工夫するんだ。」

「ふ~ん、、。」

あまり説教じみた事は言わない人だったが、何かの折に「工夫しろ。」と言われた時のことをふっと思い出した。

 

父の料理は「ものづくり」だったと思う。

手を抜かず、こだわりを持って、工夫を重ねて、食べる人を喜ばせる為に毎日こつこつ作る。

日本の高度経済成長期も、先人たちのこういう「ものづくり」の精神があったんだろうなぁ、、。

ちょっと料理から飛躍し過ぎだが、でも仕事も料理も大事な所は同じで、父は、真面目に誠実にとても日本人らしく生きたのだと、今更ながら気付いた。    

派手なところは少しもない普通の地方の会社員だったが、そんな父を尊敬している。

生前にちゃんと伝えたかったなぁと思う。

 

夏になると、ナスの味噌汁が何日も続いて閉口する時があった。

父はナスの味噌汁が大好物だったから、不思議なことではないのだけれど、、。 

祖母がナスが嫌いだったとかのせいで、小さい頃にナスの味噌汁を食べたことがなかったそうだ。

「なんでこんな美味いものを食わせなかったんだ!」と大人になってから憤慨したとか。

 

食べ物の恨みは怖い、と言うより、お母さんは自分の好き嫌いに関係なく、子どもにいろんな食材を食べさせましょう!さもないと、子孫が思わぬ被害を被る可能性があります(笑)。

 

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コメント: 8
  • #1

    ぅぉ (火曜日, 30 6月 2020 21:03)

    良いですね 工夫   全然関係ないけどこんな曲があるw
    https://www.youtube.com/watch?v=sG9kRb77Lww

    そして良いですね、父と娘のコラボ

    さらに、そしてお父様に申し上げたい。  大人になって、美味しいと思うものの
    中には子供の頃はさほど好きではなかったりするものもあったりするのです。

  • #2

    michiko (水曜日, 01 7月 2020 07:37)

    ぅぉさん、相変わらず守備範囲、めちゃ広いですね!
    「常に研究、常に練習」ってまさにその通り、激しく同意。
    だから、どんな分野でもパクリはダメなんですよ、ね?

    大人になって好きになったもの、、。
    ちょっと考えてみたら、みんな”酒のつまみ”系だった(笑)。

  • #3

    ぅぉ (木曜日, 02 7月 2020 21:37)

    いぇいぇ、私などは底が知れてます。w
    その証拠に、このコロナ禍の中  在宅勤務中に仕事しながら
    youtubeかけっ放しにしてて、初めて聴きました。  みんな大好き
    キングヌーなるアーチストの曲w  良い曲でした
    他にも色々聴いて周回遅れの発見をいっぱいww

    ちなみにパクリの話は何の経緯の話ですか?

  • #4

    michiko (金曜日, 03 7月 2020 07:50)

    パクリと言えば◯国!FBであの国の話、出ていたような、、。
    お隣りの国も酷いけど、、。
    でも、かつての日本もそうだったし、音楽業界は昔、言うのが恥ずかしいような状況でした。今のアーティストたちは、日本オリジナルを作ろうと頑張ってますね!
    ネットでパクリがばれる時代になった、というのも大きいと思います。

  • #5

    ぅぉ (金曜日, 03 7月 2020 15:12)

    あれっ? 何だっけ、江崎としこさんの曲がちうごくの方にマルパクリ
    された件でしたっけ? あっでもそういう事ですね。

     いぇね、私は また、HIP HOP界隈で以前はよく使われていた
    サンプリングっていう手法を使い、他人の曲のトラックを切ってきて
    貼り合わせたり、ループさせたりして、自分たちの曲のトラックを
    作ることを指摘してたのかなぁ とか
     私が作る食べ物は全部人のレシピまねしてるからそれ指摘されてるの
    かな とか、いろいろ考えてしまいました。

  • #6

    michiko (金曜日, 03 7月 2020 22:14)

    ぅぉさん、考え過ぎ〜ww でも、ごめんなさい!
    私のコメント、読み返してみたら『ね?』ってのが非常に含みがあるように感じますねぇ、、。日本語、深いわぁ、、。
    それに、ほんと唐突にパクリとか言い出してるけど、一体どうしたんだ、私?

    このコメントを書く前、ずっと◯国の国家安全法のこと考えていて、悶々としてました。
    FBは縮小団の話ですね、頭の中でぐるぐるっといろんな事を考えちゃって、さらさらっとコメントを書いちゃったみたい、、。
    お騒がせして、ほんとすみません。
    謎コメントでした、ほんと申し訳ないです、、。

  • #7

    ぅぉ (土曜日, 04 7月 2020 23:32)

    お疲れのようですね。
    私も在宅勤務中は、仕事と、そういったニュースのみで、ちょっと
    メンタルやばくなってきたので、音楽でも聴こうと思い違う動画
    見たりし見始めました。

    とにかく気晴らしを。

  • #8

    michiko (日曜日, 05 7月 2020 08:19)

    ありがとうございます!
    私も我ながらヤバイと思い、この数日、海外ドラマを見ています。
    Twitterで時々炎上している人たちって、おそらくそんなメンタルに陥っているのかもしれないですね、、。