一年半前には、ちょっと外出というと大体いつもマスクを忘れていた。
そのまま電車に乗って、冷たい視線にはっとするってのを何回やったことか、、。
今では、家のドアを開けると同時にマスクというのが習慣になっている。
化粧は適当でいいし( なんならスッピンでも? )、楽チンと言えばそうなんだけど、どうも全体シャキッとしない。
離れた所から挨拶されてもほとんど誰かわからないし、向こうも多分そうだろう(笑)。
一つ気が付いた事がある。
顔全体を見ていればそれほど気にならなかったであろう相手の微妙な感情--例えば『わ、いやだ』『え〜、それ変だろ』『ちょっと無理無理、、』みたいな一瞬の気持ちが、マスクの上に二つの目しかない状態だと、なぜか怖いほどわかってしまう。
もし口元がにこにこ笑っていたら見逃していたかもしれない本当の気持ちが、はっきりと見えてしまう。
まさに「目は口ほどに物を言う」のだ。
マスクで鼻と口が隠れているからと油断するのかもしれない。表情が見えないのだから気持ちまでバレないだろう、と。
でも、目は口元より融通が利かないのに本人にその自覚がない。
だからたくさんの言葉よりストレートに気持ちが伝わってしまうのだ。
そんな正直な気持ちはあまり知りたくないし、伝えたくない。
早くマスクが無くなればいいと思う。
化粧もバッチリ、シャキッと気合いを入れて街に出掛けたいなぁと切に思う。
春なんだし、、。
表情のない街はもう本当にうんざりだ。
しゃべったり笑ったりって、今さらなんだけど素敵なことなんだと思った。
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