あべちゃん

私の母は、世間で言うところの動物的直感とか天性の勘がある人だった。

日頃ぼっとしている私には窺い知れないのだが、母には人の顔つきや所作などから感じ取る何かがあって、瞬時に好き嫌いを判別するらしかった。

まぁ勘違いも多分にあるだろうが、TVに出ている有名人については、私と母の好き嫌いは一致することがけっこうあった。

 

母のお気に入りは、私の覚えている限り、ラミレス氏(元プロ野球選手)と安倍晋三氏だった。

理由は謎だ(笑)。

この二人がTVに現れると、とりあえず名前を呼ぶ。

安倍氏の場合は「お、あべちゃん💕」だった。( ちゃん付けは相当好感度が高い・笑)

 

ただそれだけなのだが、今にして思えばこれがなかなか凄い事なのだ。

実家では、あの”朝日新聞”を長年購読していて、父は安倍さんについて全否定だった。

「あべは駄目だ。」人の悪口は滅多に言わない人が、苦々しそうに言うのを2回ほど聞いた。

( ”朝日新聞”は本当に酷い新聞だ、あんなに賢くて善良な父を嘘で洗脳するなんて、、。)

そんな父の面前で、母は無邪気に「あべちゃん💕」と何回もやるのだ。

父は普通に聞き流していたが、、。

 

母は政治に全く関心がなかったし、安倍さんが総理大臣だという事くらいしか知らなかったろう。

でも、例の”天性の勘”というやつで、この人は良い人に違いないと見抜いたのだ。

私はといえば、安倍さんが日本や世界にとって大切な政治家だったから、そして悪意に満ちたたくさんの敵と闘っていて、最後には必ず勝って欲しかったから、心から応援していた。頑張って欲しかった。

 

安倍元総理の訃報に、ネットでは追悼番組が多数アップされている。    

一つ一つ見ていると、近しい人たちがいかに安倍さんを愛していたかが伝わってきて、本当に切ない。

百田尚樹さんや櫻井よしこさん、花田紀凱さんや小川榮太郎さん、、他にもたくさんの人たちが堪えきれずに泣いていた。

私も泣いた、、。

 

安倍さん、どうぞ安らかにおやすみください。

そして、これからの日本をどうぞ見守っていてください!