俳優の古谷一行さんが、先月23日に亡くなられた。
古谷さんの演じる金田一耕助が大好きだったので、YouTubeにある昔の『名探偵金田一耕助シリーズ』をどっぷりまとめて見た。
30代の古谷さんは、とにかくかっこいい。
推理に没頭するとボサボサの髪をぐしゃぐしゃにかきむしり、行き詰まるといきなり部屋で逆立ちをする。
ヨレヨレの袴に下駄を履き、頭のフケは周りの人を驚かす。
探偵事務所はいつも金欠らしく、困り果てた事務のおばちゃんに怒鳴られるし、冴えない外見から初対面の人にはだいたい馬鹿にされる。
あれ?
こう書くと全然かっこよくない、、。
もはや”みすぼらしい”と言ってもいい程の金田一耕助氏だ。
アガサ・クリスティの探偵-”エルキュール・ポワロ”が、寸分の隙のない洗練された身だしなみで上流階級の社交術にも長けていたのと正反対だし、同じ日本の名探偵-”明智小五郎”のダンディズムのかけらもない。
でも、古谷一行さんの金田一耕助は、確かにかっこいいのだ。
天才的な推理力、率直さ、犯罪の前では無私無欲である事が本来の魅力であるとするならば、古谷氏の人懐っこい笑顔と母性本能をくすぐるような茶目っ気が加わった事によって、探偵-”金田一耕助”が見事に完成した。
デビッド・スーシェ氏がポワロを何倍も魅力的にしたのと同様に、古谷一行さんは金田一耕助を日本を代表する名探偵にしたのだと思う。
先日の日経ビジネスで、爪をケアする男性専用ネイルサロンの売上が右肩上がりという記事があった。
ふむ、、指先の手入れにまでお金と時間をかけるって事は、全身に美的関心が行き届いているって事か、、。
最近の男性--特に若い男性は、爽やかで綺麗だ。
お洒落も上手だし、人によっては女性より美しかったりする。
汗臭い男などもう絶滅危惧種かもしれない。
金田一耕助のようにフケを撒き散らそうものなら、周りの人は卒倒するんだろう。
でも、なんとなく、昭和の時代の男臭さとか男性的な野性味が懐かしかったりする。
”女が惚れる男”、な〜んて古めかしい言葉がふと浮かんだ。
この多様性の社会では「野暮ったい」とか言われるんだろうなぁ、、。
( もしかして野暮ったいも死語か?ww )
金田一耕助シリーズを見ながら、今はなき古き良き時代の空気を満喫した。
古谷一行さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。
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ぅぉ (日曜日, 11 9月 2022 19:28)
合掌
とはいえ、私、金田一シリーズ通ってきてないのですよね。
むしろ、ご子息のほうが知ってる感じ。
古谷一行さんと林隆三さんがこっちゃになって、こんがらがってる
感じ。 不謹慎で申し訳ありません。
昨今は、身なりだけじゃなく、発言までホワイト化が進んでいて
いろいろ気遣わないとけない時代ですね。
昭和の頃 青春ドラマがはやってた頃は少しの不潔は許されてたん
でしょね。 生きづらい昨今だこと
michiko (月曜日, 12 9月 2022 08:43)
ホワイト化って言うんですね、、。
ほんと生きづらい。ポリコレとか差別だ〜とか、、。
ぅぉ (月曜日, 12 9月 2022 13:25)
岡田さんの造語なんですけどね。
屋台のおでん屋がなくなっていったり、人が握ったおにぎりより
コンビニの工場製の方がいいなんて言う人がでてきたり、男性が
ヘアセットするのも当たり前になりつつあるし、漫画やアニメの主人公や
TVとかに出る人の見ためがどんどんこぎれいな人になってるし・・・
中略
TVの中では差別発言や体罰的なものが出せなくなってるし、
芸人の不倫もバッシングされ認められなくなってるし、芸人を見た目で
いじるのもNGになってるのだそう。
なのだそう
michiko (月曜日, 12 9月 2022 17:04)
例の岡田さんですね!
さすがのセンスです^ ^
池波正太郎さんが今の社会を見たら、きっと幻滅しますよね。
芸人さんはあだっぽさが無かったら売れないし、ミュージシャンも昔はワルでした(笑)。
毒のない美はつまらないと思う、、。
ぅぉ (水曜日, 14 9月 2022)
そういう流れになってると言われ、そうかもなーと思いながら
地味になんだかなーとも思ったり。 コンビニのおにぎりも店舗で
握ってるのを好んで買ったりしております。
清濁併せ持つのが人間だ的な作風の先生だからそうかも。
盗んだバイクで走り出すのがかっこよかった時代から、盗まれた
人のこと考えてみろよwwって話がネタになる時代にww
michiko (水曜日, 14 9月 2022 06:40)
”盗んだバイクで、、、”←うまい!ほんとその通り!