中国の切手

近年、何かと話題の中国。

知り合いに中国の人も関連の人もいないので、かの国の動きは国際ニュースで知るだけだ。

( 去年亡くなった叔父さんが、「習近平は危ない、本当に危ない。」と、10年くらい前に言っていた。

当時はまだ、多分に中国礼賛の空気があったと思うが、叔父さん、慧眼だった、もっと話を聞きたかったなと思う。)

 

2019年、新潟の実家で遺品整理した時に見つかった中国の切手がちょっと凄かったことを、ふと思い出した。

 

生前の母が集めていた大量の切手。

業者さんのアドバイスで、東京の鑑定会社に査定してもらうことになった。

母は、綺麗なもの、趣のあるものが大好きだ。

残された切手の大半は日本のもので、美しく品があって図柄も素敵なものばかりだった。

他には、頒布会で定期的に届いた外国の切手が封筒ごとたくさんあった。

 

自宅に来てくれた鑑定者さんは、とても丁寧に仕事をする方だった。

1時間くらいで終わるかなと思っていた査定は半日に及び、隣りの続き間でインターネットを見つつ鑑定者さんと軽く雑談を交わしていた私は、「こんなに時間がかかるんだ、、。」と内心驚いていた。

 

母は、”収集”という概念すら持っていたか怪しい。

買って-届いて-(ふ〜んと)見て-箱にしまって-のサイクルの結果、整理もせず乱雑に、お歳暮のお菓子や海苔の紙箱3つとそれに入りきらなかった分が机の引き出しにしまわれていた。

分類するだけで、相当な労力だったろうと思う。

 

唐突に、機械的に動いていた彼の手が止まって、携帯で切手の写真を撮ったり会社に連絡を入れたりしだした。

「ん?」と思ったが、「もしかして^ ^」と考えたわけではなく、逆に「何か不都合が?」と心配になった。

以前、切手収集の趣味がある友人が「試しに査定してもらったらさぁ、あんまり安くてびっくりして売るのやめた。」と言っていたから、はなから期待値は低かった。

 

最終的に、査定額は10万円以上になった。

 

金額を聞いて、私は「え?」と固まった。

アニメだと、手に持ったメモの紙がひらひらっと落ちるところだ(笑)。

 

鑑定者さんはちょっと笑いながら、「これがね、ちょっと凄いんですよ。」と一枚の小さな切手を見せてくれた。

保存袋にも入っていなかったヨレ気味の、どう見てもパッとしない中国の切手。

「ちゃんとしたシートだと、もの凄い金額になります。」

 


”赤猿”と呼ばれるこの切手は、収集家の中ではとても有名で高いプレミア価値がついているのだそうだ。

中国の富裕層が投機目的で大量購入しているせいで、需要が高まっているとも言われている。

「中国の人は赤が好きみたいですね。」彼はにっこり笑った。

 

「いやぁ、中国、いいなぁ、、。」

 

予想外の高額収入で一気にハイテンションになった私は、保守としてはあるまじきひと言をつぶやいた(笑)。

 

現在、日本の多くの製造業は、経済安保や人権重視の観点から中国との取引きを考え直すようにと、世界から-少なくとも自由主義陣営の国々を主導する米国から-警告を受けている。

中国の今やっていること、これからやろうとしていることを考えれば、当然の予防措置だ。

日本だって自分の国を守らないといけない。

 

でも、たかが10万円で、天にも昇る気持ちになったあの時の自分を振り返ってみれば、中国から莫大な利益を得ているであろう企業の経営者さんは、さぞ苦渋の決断だろうなと少し同情する。

先が読めない、いつ何が起きるかわからない世界の只中で、トップに立つ人たちは神経をすり減らすような際どい決定をし続けなければならないのだ。 

 

多くの経営者や政治家が占いにハマるというのも、”むべなるかな”と思った。

そういえば、四柱推命は中国起源、、関係ないけど、、(笑)。

 

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コメント: 10
  • #1

    ぅぉ (月曜日, 27 2月 2023 01:04)

    ちうごくの人だけぢゃないかもね。赤が好きなの。
    ジェンダー論かざして、おひとり様オススメされながら、
    実は入籍されてた偉い先生。 髪を赤く染められてた時期があるのか
    以前ググった時、髪が赤かったww

  • #2

    michiko (月曜日, 27 2月 2023 08:24)

    ww あと紫色の経済学者さんもいましたね。予測がほぼ100%外れるという、、。
    あの手の学者さんたちって、恥ずかしいという気持ちをたぶん感じないのでしょうね。

  • #3

    ぅぉ (月曜日, 27 2月 2023 22:50)

    うえのセンセイ
    飯山あかりさんにまで動画あげられてやんのww

  • #4

    ぅぉ (月曜日, 27 2月 2023 22:55)

    しらんけど www

  • #5

    michiko (火曜日, 28 2月 2023 07:05)

    学者同士、きっと容赦ない、、ww

  • #6

    まっち (火曜日, 21 3月 2023 01:57)

    遅ればせながら。

    赤い共産主義の中国は怖いですね。
    しかし今では、経済的にも軍事的にも米国に次ぐ超大国になっていて、中国を抜きにしてこれからの世界は考えられない。どうなることやら。

    社会の事は良くは解らないのですが、自由主義国では、当然、持てる者が有利となり格差が開く一方。
    其れを止めて平等に分配する筈の共産主義国は、何故か独裁政権化してしまう。北朝鮮などはもはや世襲王権です。

    これでは、寧ろ封建時代の方がマシだったのでは?と思えてしまう。
    現代では、中国古代思想家の儒教は封建的であるとして否定されているようですが、本当にそれでよいのだろうか?良い部分も数多くあるのではないでしょうか?
    世界史的にも奇跡的と云われる、戦争が無く平和で文化が花開いた時代が続いた江戸時代には武士だけでなく、農民、町民も教養として儒教を学んでいた。
    また、渋沢栄一は、論語を基に社会に貢献した経済人として有名です。

    ところで、度々FBにも書いている事ですが、一般に「中庸の徳」が正しく理解されていない。
    これは、ただ単に中間の平均的で穏健なものが良いと云う事ではないのです。

  • #7

    michiko (火曜日, 21 3月 2023 08:38)

    深い話ですね、、。
    だいぶ前に、タモリさんが「資本主義も共産主義もそのうち終わって日本の時代が来る」みたいなことをTVで話していました。

    日本には古来、物事が極端に至らないためのクッションのような概念-空気が社会にありました。
    (古事記の中のツクヨミノミコトとか象徴的。)
    欧米も中国もロシアも、考え方が潔いというかきっぱりし過ぎていて、いつも白黒つけたがる。
    逆に、日本はグレイが多過ぎて、物事がなかなか決まらないし変わらない。でも、それだからこそ、争いが少なくて平和が保たれてきました。
    若い頃は、欧米社会の方がかっこいいと思っていましたが、今はタモリさん、もしかして凄い人?とか思います。

    中国を超大国にしちゃったのは、今必死で中国封じ込め策を考えているアメリカだっていうのが皮肉です、、。
    儒教精神は、また学校で教えれば良いのに、とほんと思います。
    欧米のリベラルなんか何の役にも立たないし、むしろ害悪。日本は聖徳太子の頃からちゃんと民主主義国家でした。
    封建主義も、ヨーロッパのものと日本のものとは全く違うし、日本の封建時代は暗黒の時代じゃありませんでした。

    う〜、なんかまた長くなってしまってすみません!

  • #8

    まっち (火曜日, 21 3月 2023 12:39)

    ツクヨミノミコトについては、よく知らないのでいつかお聞かせ下さい。

    アメリカをはじめ自由主義国側としても、中国の購買力、安い労働力は見逃せなかったのでしょう。

    日本の封建時代が良かったのは、儒教思想が支配者の取るべき道をしっかりと示していたからではないでしょうか?
    良くは知らないのですが、西欧のキリスト教圏では、そこのところどうだったのでしょうか?

    経済的には落ち込みぎみの日本ですが、公に対する国民性は世界に誇れるものが有ると思います。タモリさんは凄い人かも知れません。

    それにしても、習近平とプーチンは何を話すやら。怖い怖い。

  • #9

    michiko (火曜日, 21 3月 2023 20:30)

    ほんとに。
    大国のトップになると、どっかおかしくなっちゃうんでしょうか?
    それとも、おかしな人がトップになっちゃったのかな?ww

  • #10

    まっち (火曜日, 21 3月 2023 21:18)

    まともな人は、トップになろうとはしない。