柳の木

先日、親戚の法事で新潟に行った。

前日泊で、その日は幼馴染みのTくんが、「せっかくみっちゃんが来たから。」と新潟で一二を争う老舗の料亭『行形亭(いきなりや)』さんに連れて行ってくれた。

会社の重役さんやお役人さんたちが接待で訪れるという、本物の”ザ・料亭”だ。

予約の時に、「芸妓さんお呼びしますか?」と聞かれたと、Tくんが笑っていた。

まず雰囲気に呑まれ、お座敷に歓声を上げ、お料理がどれもこれも素晴らしくて、命の洗濯ってこういうんだな....としみじみ思ったことだった。

翌日の法事は、お寺でお経をあげていただいた後、近くの割烹で親戚一同、故人を偲びながら和気藹々と会食した。

天気も良く、窓からは満開の桜が絶景で、「もしかしてあたし、日頃の行いが良かった?」と勘違いするほどの良いこと尽くしだった。

市内を歩いていて、青々とした柳の木を見つけた。

亡くなった母が、「西堀の岸には柳がず〜っと植っていてね、、。」と言っていたのを思い出した。

 

☆新潟の堀の歴史( 新潟市役所コールセンターのHPより抜粋 )

「江戸時代前期、新潟町の中に信濃川と平行する形で西堀と東堀という二本の堀が作られ、舟による商品の輸送路などとして使われた。

大正末頃から堀の水の量が減少し、その後、自動車輸送が主流になってきた事から徐々に堀の埋め立てが始まり、昭和30年以降に東堀が、昭和39年までに西堀が埋め立てられた。」

 

昔、西堀と東堀の両岸にはたくさんの柳の木が街路樹として植っていて、その下を粋な芸者さんたち(古町芸妓)がそぞろ歩いていたのだ、、。

なんて風情ある景色だろう。

 

柳の傍らに佇む幼い母の姿が、その時ふっと心に浮かんだ。もちろん、ぼんやりとした想像だ。

でも、なぜか急に懐かしくなって、胸の奥がキュッとした。

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コメント: 4
  • #1

    ぅぉ (土曜日, 15 4月 2023 13:02)

    おとなですな。 私、法事とか、いった事ない。 orz

  • #2

    michiko (土曜日, 15 4月 2023 15:42)

    最近は、7回忌やらないお家が多いそうです。
    私も、若い時は「法事って何?」でした。

  • #3

    マッチ (火曜日, 25 4月 2023 01:52)

    ザ・料亭のお写真、小径(路)になっているのでしょうか? 灯りが趣きが有って素敵です。一般人には滅多にできない貴重な経験をされましたね。

    ところで、突然ある情景が心に浮かんだ時、急に懐かしくなったり、又は切なくなったりして胸がキュッとする体験は時たま有りました。特に若い頃は。
    この時は、何か特別なホルモン物質、例えばセロトニン、ドーパミン、アドレナリンの様なものがドバっと出ているのでしょうかね?
    しかし、自分から胸キュンしたくて同じ情景を試してみてもダメなんですよね。

  • #4

    michiko (火曜日, 25 4月 2023 08:58)

    まっちさん、面白くてコーヒー吹きそうになった ww
    でも確かに、胸キュンホルモン、あるんでしょうね。脳内でホルモンガチャとかやってんでしょうか? ^o^