ずっと前に読んだあるネット記事。
欧米の某有名オーケストラの指揮者が替わるという報道だったのだが、交代の理由として、後任指揮者の観客動員能力、寄付を集める力、パーティで聴衆にウケるスピーチができる等が高く評価されたのでは、と推測する内容だった。
もちろん、音楽力は前任後任優劣つけ難かったのだろう。その上で、これからの芸術家にはPR力が求められる、と筆者は語っていた。
これを読んだのは十数年前だが、「とうとうクラシックの世界まで、、。」とちょっと驚いた記憶がある。
ポップス業界では当たり前の話だが、大物と言われる音楽プロデューサー( クラシックの指揮者と役割が少し似ている )は、そのセンスや音楽力だけで評価されているのではない。
アーティストを総合的にプロデュースする為に、人とお金を組織的に動かしていく力が秀逸だったりする。
まさにPR力だ。
最近はインターネットの普及のおかげで、芸術家やアーティストでなくても誰でも自分の作品をアピールできるようになった。
組織の力を借りずに活躍できる場が無限大に広がったのだ。
自己をPRする能力に長ける人たちにとって、どんなにワクワクする時代だろう。
そして同時に、私のようにおろおろする人たちもそれなりにいるんだろうと思う。
これからはPR力の有無によって、実力云々より先に評価の二極化が進んでいくかもしれない。
私の以前の音楽活動は、演奏ではずっとサポートメンバーだったし、スタジオワークではアレンジや打ち込みの仕事が主だった。
クリエイティブな面で表に出ることがあまり無く、そういう意味でどこか現状打破みたいな気持ちがふっと働いたのかもしれない。ある時、Jazzの”セッション”というものに生まれて初めて参加した。
好きに弾いていいと言われて、「え、ほんと?」と戸惑った。
曲は「酒とバラの日々」だったと思うが、もうめちゃくちゃいっぱい無我夢中で弾いた(笑)。
Jazzって楽しいなぁ、と思った。
”Jazzで好きに弾く”→”Jazzで自分を表現する”
この移行にはずいぶんと時間がかかったし、まだちゃんとできていない。
でも、Jazzのピアノトリオは、自分が主役-表の顔になれる。これは夢のようなことだ!
”Jazzで自分を表現する”→”Jazzで自分の音をPRする”
この移行がかなり難しい、、。
はたして、努力してできる事なんだろうか?
今回は、T-TOCレコードという会社がCDをリリースし、YouTubeにMVまでアップしてくれて、『JazzJapan』という雑誌にはなんと紹介記事&インタビューが掲載された。
もう「私、PR能力ないんです、、。」とおろおろ困っている場合じゃないのだと思う。
佐川雅弘さんのようにはもちろん到底言えないけれど、まずは、私のピアノを聴いて欲しいという気持ちを意識して強く持っていこうと思う。
その覚悟を持つことだ。
『どうしてかな?』part 1~4、あれこれ考えてきて、なんかふつ〜の結論なんだが、今までひたすら目標に向かって練習するってだけ考えてきたから、この視点は私にしてはかなり新しい。
セッションで時たま弾くアドリブソロを聞いてもらいたいというのではなく、私の音楽そのものを聴いて欲しいと願う気持ちは、すなわち”自分の音”を持っていればこそで、これはほぼ全ての演奏家の目標だ。
私にとってそれはあまりに大きな目標で、きっと今まで、目の前の小さな目標ばかり見てきたから視界にすら入ってこなかったのだと思う。
ようやく(やっと?)、演奏家の仲間入りをしたのかなと思う。
私はいつでも、大切なことに気付くのがかなり遅い。随分と後になって、あぁそうか、そうだったんだと振り返って気付く。
ものすごく残念な人生ではある(笑)。
遅まきながら。
自分の音楽を聴いてもらうために、いろいろな意味で-楽しみながら頑張っていこうと思います。
いい年ですから(笑)、ほんと楽しみながら、、。
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ぅぉ (月曜日, 26 6月 2023 13:07)
明後日ですね。 楽しみにしてます。
michiko (月曜日, 26 6月 2023 16:47)
ありがとうございます❣️ 頑張ります ^o^v
しゅん (月曜日, 21 8月 2023 08:06)
「who am I ?」、新潟の紀伊国屋で購入しました。オリジナル曲から、日本海の夕陽と波の音が、静寂さの中で浮かんでくるようです。演奏も見事で、素晴らしいPIANO TRIOです。
michiko (月曜日, 21 8月 2023 16:03)
しゅんさん、コメントを読んで、飛び上がるほど喜んでいます。
ありがとうございます!
そして、このブログ記事のコメントであることが、本当に嬉しいです。
Jazzというジャンルにとらわれず、これからもっと深く自分の音楽をやれたらなぁと思っています。
このコメントを励みにします!
しゅん (火曜日, 22 8月 2023 14:09)
こちらこそ、ありがとうございます。
楽しみながら演奏されたオリジナル曲を、YouTubeやFBで聴くことができましたら、本当にうれしいです。