ある日の渋谷

先日の渋谷『koko』のJazzセッション。

ママさんがうっかり冷房を入れ忘れていて、私は汗だくだくで最初のホスト演奏。

半ば気を失いそうになりながらお客さんと数曲演奏した頃には、冷房もだんだんと効いてきた。

 

お客さん増えてきたのかなぁ、と背中で感じて振り返ってみると、オーストラリア人の初老の男性二人と可愛らしい日本女性一人のグループが、中央のテーブルに陣取ってビールで乾杯していた。

少し遅れて観光客らしい欧米人のカップルが入ってきて、オーストラリア人グループと「Where are you from?」とかなんとか聞き合ったりして和気藹々、でもちゃんとセッションに参加しているみんなの演奏を聴いてくれていて、なんとも素敵な空間になった。

さらにその後、フランス人の若者と中華系美女のカップルが慌ただしく来店して、わぉ、まるで日本じゃないみたい、、。

 

外国の方々は楽器を演奏するのでなく、ただお酒を飲みながら音楽を楽しみたい人たちで、こういうラフな雰囲気の中で演奏するのって、何て楽しいんだろうと思った。

 

オーストラリア人の男性は、片言の日本語で「わたし、空手五段!」と誇らしげに黒帯の写真を見せてくれた。

フランス人の若者は、7年間日本に住んでいるとのことでとても綺麗な日本語で話をしてくれて、こちらのぞんざいな日本語が恥ずかしくなった。

欧米人のカップルはラブラブな雰囲気で話し掛けずらかったのだが、帰り際に女性に「Did you enjoy?」と小さな声で聞いたら「Yes!」と答えてくれた。

 

お店は、渋谷の駅から徒歩7〜8分くらい。

ゆっくり歩きながら周りを見渡すと、たくさんの外国人がいろんな国の言葉を喋っている。

気付けば、東京は本物の国際都市になっていて、渋谷のスクランブル交差点はまるで世界の中心のようだ。   

こうした街の活況と様相の変化は、コロナ収束後、急に加速していて、渋谷に来るたびに目を見張ってしまう。

そして、この日のセッションでの出来事。

わぉ、日本じゃないみたいと嬉しくはしゃぐ一方で、彼らの話す空手の話題や流暢な日本語がとても自然なことに感じられ、その感覚が我ながらちょっと不思議だった。

世界の中で日本文化が広く普及している-その事実とは別に、日本も日本人も全然変わっていない、ずっと前から同じなのに、急に世界がどっと近づいて来ているような感覚というか、、。

 

日本が好き!という気持ちが、彼らからふんわりと、でも強く伝わってきたせいだろうか?

私ももちろん日本が好きだから、”同好の士、相まみえる”って事だったんだろうか?