新宿ALTA

TVを見なくなって、もうずいぶん経つ。

「TVくらい買え。」と父には何度も言われたし、「偏向報道が、、」と言っても誰も相手にしてくれない。

この十数年、マジ肩身の狭い思いをしてきたが、最近の若者はほとんどTVを見ないという統計が出てようやく悪目立ちしないですむなぁ、と少しほっとしている。

 

そうは言っても、昔の私は大のテレビ好き。特にフジテレビは一番のお気に入りだった。

全盛期と言われる80年代から90年代、『笑っていいとも!』『鬼平犯科帳』『奇跡体験!アンビリバボー』『踊る大捜査線』、、フジは日本のテレビ界で圧倒的に面白かった。

 

ヤマハの仕事をしていた頃、生徒さんが応募した『笑っていいとも!」のスタジオ観覧の抽選が当たった。

飛び上がるくらい嬉しくて、生徒さんと私の3人、新宿ALTAスタジオにキャッキャッウキウキ出掛けた。

ADさんの前説から既にワクドキで、誰がゲストだったのかさえ覚えていないという本当に笑っちゃうくらいの舞い上がりっぷりだった。

 

その後、ヤマハを辞めて、テレビ各局の歌番組にバックの演奏で出演するようになったが、その頃はもうあまり感慨もなく、あれやこれや音楽の仕事をやった挙句にJazzに出会うのだが、あんなに憧れていたテレビを「偏向報道!」と嫌うようになったのは、その間にいろいろな事を見聞きし、考えるようになったからだ。

世間では、若者を中心にじわじわとテレビ離れが始まり、ドラマやバラエティのロケスタッフの横柄さがSNSに度々投稿されて炎上し、業界に長年君臨してきたビッグスターたちのスキャンダルが社会問題にもなった。

 

先日、1980年に開業-40年以上の歴史を持つ新宿ALTAが、2025年2月28日をもって営業を終了するというニュースが流れた。

収益改善が難しく、経営が厳しかったとのことだ。

 

一つの時代が終わるなぁと思った。

新宿ALTAは、私のような「いいとも!」世代にとっては、TVの人気者たちが集まるキラキラした場所だった。

業界人は”選ばれし者”だったし、私たち一般人から見れば”特権階級”だった。

そんなイメージを引きずったままの人たちが、今いろいろと問題を起こしているのかもしれない。

テレビからSNSへ人々の関心が移り、一般の視聴者の中から人気者が出る時代になったのだ。

 

「新宿で待ち合わせの場所って言えば、ALTA前か紀伊國屋さんだったなぁ、、。」

元気に街中を遊んでいた若かりし日々を思い出して一人ふふっと笑った後、急になんとも言えない寂しさが込み上げてきた。

 

(「笑っていいとも!」最終回の日 平成26年3月31日--産経新聞より)

 

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コメント: 4
  • #1

    ぅぉ (水曜日, 17 4月 2024 19:27)

    昨今、新宿で待ち合わせするときは、歌舞伎町のドンキ前なのは
    私が大人になったからか。 いゃ、待ち合わせするゲームセンター
    が無くなったからかも。www

  • #2

    michiko (水曜日, 17 4月 2024 22:17)

    今は、歌舞伎町のドンキ前なんですねぇ、、。
    今日、有楽町に行ったんだけど、全く変わっててあれれ?って感じでした^ ^;

  • #3

    ぅぉ (月曜日, 29 4月 2024 01:07)

    今は、アルタ横の飛び出す猫が有名みたい
    みんなカメラ向けてますww

  • #4

    michiko (月曜日, 29 4月 2024 05:58)

    3D猫〜、知ってます!
    フランスでも特集されたとか。
    街が遊び心で変わっていくのは、なんか楽しくて良いと思う ^ ^